世界的にも有数の豪雪地帯の日本にスキーが伝来したのは今から100年ほど前です。その後、今も野沢温泉スキー場「シュナイダーコース」に名前を残すハンネス・シュナイダー氏の日本全国スキー普及ツアーもあって、スキーは日本の積雪地に徐々に普及していきます。
とはいえ、インターネットはおろかテレビも無い明治時代です。アルペンスキーの本場ヨーロッパから見れば、日本は「極東」と呼ばれるはるか彼方。アルペンスキーの技術や用具の進化のスピードには、大変な差があったものと思われます。
アルペンスキーが文化としての浸透している度合いがヨーロッパと日本で異なるのは、歴史的な背景が大きいと思いますが、その違いをどのように縮めていくかを考え、ひとつひとつ仮設と検証を繰り返していくことが重要だと考えています。
ごあいさつ

一般社団法人 ジャスト・ラビング・スキー設立にあたり、私共の「使命」や「ビジョン」をお伝えすることが出来る機会をいただき、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
日本のアルペンスキー界を支える支援団体として、また、その未来を預かる立場として身を引き締め、「長期プロジェクト」として取り組みます。
なにとぞ、よろしくお願いいたします。
一般社団法人 ジャスト・ラビング・スキー
代表理事 岡部哲也
「一般社団法人 ジャスト・ラビング・スキー」
設立の背景
「行うスポーツ」として根付いたスキー
1998年には1,800万人だった日本のスキー・スノーボード人口は、2013年には770万人にまで減少しました。
約4割にまで落ち込んだこの数字を見て「スキー・スノーボードは終わった。」と思う方も多いと思います。
他のスポーツはどうかと言うと、2000年に1,300万人だった日本のゴルフ人口は、2015年には720万人にまで減少しています。 ※国土交通省「レジャー白書」より
昨今「テニスブーム」と言われるテニスですが、2002年の423万人から2012年には373万人にまで減少しています。
※(公財)日本テニス協会調べ「過去1年間に1回以上、硬式テニスを行った日本の10歳以上の人口」
こうしてゴルフやテニスの人口と実際に数字を比較してみると、スキー・スノーボード人口が減少したとは言え、770万人という数字は依然として大変大きな数字であることがおわかりいただけると思います。
「観るスポーツ」としては知名度が足りない
一方で「観るスポーツ」としてのスキーとしてはどうでしょう?
ヨーロッパにおいて「観るスポーツ」としてのアルペンスキーは大変な人気で、歴史と伝統の「クラシック」と呼ばれるレースには、毎シーズン数万人の観客が集まり、大変な盛り上がりとなります。
しかしながら、日本における「観るスポーツ」としてのアルペンスキーの知名度は、残念なことに高いとは言えず、
世間の注目はジャンプ、モーグル、ノルディック複合など、オリンピックでのメダル獲得が期待できる種目に集まりがちです。
わたしたちが掲げること
我々は、日本のアルペンスキー界の発展のために、「行うスポーツ」としてのスキーと「観るスポーツ」としてのスキーの距離感を縮めることが必要不可欠であると考えています。そして、それは可能だとも考えています。
2012年10月、
・世界で戦う日本人アルペンスキー選手を継続的に輩出するプロセスを確立する。
・日本人アルペンスキー選手の活動をさまざまな面から支援し、応援する。
・選手の活動の様子や試合の結果などをより多くの方々に知っていただき、感動を共有する。
このような目標を掲げて
「一般社団法人 ジャスト・ラビング・スキー」(略称「JLS」)を設立しました。
日本のスキー環境について
日本は世界的に見ても特別な豪雪国
雪を降らせる原動力が冬の天気予報でよく耳にする、「西高東低の冬型の気圧配置による北西の季節風」。
この冷たい北西季節風と、日本海を流れる暖流の対馬海流から供給される水蒸気、さらには日本列島の中央部にそ びえる山岳地帯…これら様々な条件が重なることで、大量の降雪が日本列島にもたらされます。
AccuWeatherによる「世界の豪雪都市(人口10万人以上)ベスト10」では「青森市」「札幌市」「富山市」が3位まで独占。さらに「秋田市」も7位にランクインしています。
自然・温泉・水・野菜・果物・食事・酒
山岳地帯に位置するスキー場の周囲は、古くからの自然が多く残っている場所でもあります。
スキー場ができるはるか以前から温泉地として有名であったり、雪解け水が長年かけて自然に濾過された水と肥沃な土地から質の高い野菜や果物が採れ、美味しい食事や酒を楽しむことができる…多くの日本人にとって理想的な故郷としての資質を備えているのです。
3世代で手軽に楽しめるスポーツとしてのスキー
スキーで高いところから低いところに向かって滑るためのエネルギーは、年齢・性別・運動能力に関係なく、誰もが平等に重力から得ることができ、体力や習熟度に合わせて親子孫の3世代で一緒に楽しむことができる数少ないスポーツです。最近では新幹線や高速道路網が充実し、大都市圏とスキー場の間の時間的な距離が近くなりました。加えて、レンタルスキー、託児所、子供向けのスキースクールなど、スキー場側が提供するサービスも充実したことで、さらに手軽にスキーを楽しむことができます。
アルペンスキー競技について
「アルペンスキー」は、その名の通りヨーロッパの山岳地帯での移動手段が起源です。
その後「誰が速いか?」という競争意識から、競技スポーツとして発展していきます。
スイスやオーストリアでは国技となり、競技スポーツ、見るスポーツとしての非常に高い人気があり、トッププレーヤーは、モータースポーツ(F1、WRC、MotoGPなど)のトッププレーヤーと並ぶスーパースターです。
全日本アルペンスキーチームが世界のトップシーンで戦えるチームになるための要素として以下の3つの観点から考察してみました。

日本はヨーロッパから遠い

雪質の違い
2016年2月に久方ぶりに日本で開催されたFISワールドカップスキー湯沢苗場大会(男子GS・SL)。この時、関係者の皆さんが大変苦労したのが大会直前に降った大雪でした。
氷のように硬く仕上げられたレースバーンの上に積もった新雪を完璧に取り除く作業をスタッフ総出で行う必要がありました。
日本が世界的な豪雪地帯であるがゆえに、アルペンスキーのトレーニングを行う環境を整えることを難しくしていることがおわかりいただけるかと思います。
日本の立地条件を考慮した上で、アルペンスキーのトレーニング環境をどのように整備するかを考えていきたいと思っています。

言語・環境・習慣の違い
日本からヨーロッパを見た場合、言語・環境・習慣の違いは非常に大きいものがあります。
「ホーム」「アウェイ」と言われるように「アウェイ」の環境はそれだけで戦う前から大きなハンディキャップを背負うことになります。
世界で戦って勝つためには、生活の場をヨーロッパに移し、コミュニケーションツールとしての言語を身につけ、様々な生活環境や習慣の違いに慣れ、人間関係を築いて、「ホーム」として感じられるようになることが重要な要素だと考えています。
JLSの実績
世界で勝てる選手を育てたい
アルペンスキーを愛する皆さまへ
全日本アルペンスキーチームでは、ファンの皆さまの応援と期待に応えるべく、選手の強化を行っています。
将来を見据えた全国の若手タレントを発掘し、長期計画での育成・教育活動もスタートしています。
これらの活動を、数多くのスキーファンの皆さまに直接支援していただく仕組みを作りたいという思いから、2012年10月に一般社団法人ジャスト・ラビング・スキーを設立し、2020年7月までに1,500万円を越える支援金を全日本アルペンスキーチームに寄附してきました。
全日本アルペンスキーチームは、世界レベルの大会で表彰台の常連となることを目指し、2030年には皆さまと喜びと感動を分かち合えるよう、全力で邁進して参ります。
以上、趣旨をご理解いただき、我々の活動をご支援いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
一般社団法人ジャスト・ラビング・スキー 理事
佐藤久哉
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あわせて、支援一時金も一口3,000円にて募集いたします。
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